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→3.日本の常識は世界の非常識
第1章 毒性・栄養欠乏食品と日本人
4. 牛乳を飲んで下痢をするのは何故でしょう
マーガリンは西洋からやってきた食品で、健康に良くない危険食品だという話をしました。ここでは、やはり西洋からやってきた食品で、健康食品の代名詞のようにいわれている牛乳についてちょっとお話をしましょう。
よく、牛乳が身体に合わないという話を聞きます。こういう、筆者も牛乳をのむと下痢気味になります。牛乳を飲むのはカルシウムをとるためですね。しかし、飲んだら下痢をしてしまうのではカルシウムをとったことにはなりません。
明治の文明開化以来、日本人は西洋の文明を取り入れるのに一生懸命でしたが、食生活もそうでした。ビフテキ、チーズ、ハム、牛乳などなど。肉食文化の人種は、消化の悪い肉を体内に長く残さないため、腸が短くできており、また牛乳を飲むことによって便通を良くしようとしました。
しかし、千数百年も穀物文化で生きたきた日本人は腸が長くなっています。穀物は消化も良く便通にも困難を感じません。日本人の身体はもともと肉食系の文化には適していないのです。

牛乳はタンパク質が豊富な上に、カルシウム含有量は100ミリリットルで100ミリグラムと母乳に比べても3倍です。素晴らしい健康食品には違いないのですが、だからたくさん飲めば良いということにはならないのです。
カルシウムは他のミネラルとのバランスがあって始めてその機能を発揮します。牛乳はカルシウム量は多いのですが、他のミネラルが非常に少ないのです。
特に免疫力を高めるのに必要な亜鉛が非常に少ししか入っていません。また骨をとりまくコラーゲン(骨などを構成するタンパク質の一種)が強くないとカルシウムを補給しても、役に立たないのです。
だからいくら牛乳を飲んでも骨の増強にはならず、かえって体内の栄養バランスを悪くして骨折しやすい体質にしてしまいます。埼玉県のある小学校で骨折しやすい児童の父兄にアンケートをとったところ、10人に8人が、自分の子供に毎日最低360ミリリットルの牛乳を飲ませているとの回答がありました。
少し、話が専門的になりますが、牛乳、バター、チーズなど、乳製品を栄養素として体内に取り入れるには、体内にその乳成分を分解できる酵素を持っていなければなりません。ところが日本人は、乳製品に含まれている乳糖を分解するラクターゼという酵素を持っていません。ですからカルシウムをとってもそれが吸収されずに排泄されてしまうのです。
1987年に秋田大学の島田彰夫博士が行った調査によると、日本人100人のうち、87人がラクターゼを持っていません。100人のうち、13人しか牛乳をスムースに受け付けないのです。言葉を換えれば、牛乳からカルシウムをとれるのは100人のうち13人しかいないのです。

ただ、生まれたての赤ちゃんは、母乳に含まれる栄養素を吸収するためラクターゼを持っています。しかし、二三歳からこの働きが弱くなり始め、成人になるとラクターゼは殆どなくなってしまいます。
大人になっても乳糖を分解できる遺伝子を持った人種は北欧の人に多いようです。スエーデン人が100人中97人、スイス人が88人、アメリカ人が86人です。これに対し、黄色人種と黒人はラクターゼを作る働きが弱く、タイ人は2人、セム族はゼロだそうです。(医学博士、山田豊文著「ビタミン・ミネラル革命」総合法令出版発行)
また、下痢にならなくても代謝系*にトラブルが生じて、カルシウムが効果的に吸収されていないことには変わりないのです。 上記、山田豊文博士は、 「日本人は遺伝的にコメ、野菜、豆、小魚を摂る体質になっており、急に肉や牛乳、バターなどを以前の何倍も何十倍もとり始めるということは、遺伝子の仕組みや適応性を無視した自殺行為なのです」と、いっています。
そして、マグネシウムの必要性を繰り返し強調しておられます。 「更に、牛乳のとりすぎ−カルシウムのとりすぎは、相対してマグネシウムの不足を招くのです。現代人のマグネシウム不足は深刻な問題です。牛乳を飲むのなら、せめて、マグネシウムの含まれる、豆類や小麦で作ったパンなどと一緒に飲んで下さい。マグネシウムとのバランスを考えないと、身体に大きな異常を来す恐れがあります。運動中に起こる、肉離れや、筋肉の硬直などです」。

このように、遺伝的に日本人の体質に合わない牛乳を無理して飲むことはないのです。かえって健康を害する結果を招くことになります。 健康食品を代表する牛乳、我々が毎日のように飲んできた牛乳にも、実はいろいろな問題があるのですね。食生活における私たちの常識が、いま変えられようとしています。
特に日本人の場合、第二次大戦後、和食から西洋食へと大きく食生活が変化してきました。その変化のおかげで、日本人の身長も伸び、体型の変化が現れてきました。 しかし、この変化は外形だけの変化で、肝心の中身をともなっていないのは、皆さんもお気づきだと思います。忍耐力がなくなる、すぐに疲れる、飽きやすい、骨折がよくおきる、このような現象が皆さんのまわりで起こっていませんか。
そして、糖尿病のように直接の死亡率は高くなくても、他の病気を引き起こす原因になる病気が、小学生にまで及んできています。 成人病の低年齢層化です。 いったいどうしてこのような健康上の変化が私たちの間で起こるようになったのでしょう。 毎日のいろどり豊かな食生活、そしてグルメブーム。 私たちの生活を楽しくするこれらの食習慣の中に、大きな原因の一つがあるのだとしたら、ちょっと真剣に考え直す必要がありませんか。
私たちの食生活の中で、普段、あまり考えたことのない問題、マーガリンが悪い、牛乳はあまり飲むな、といった身近なマイナス面の問題を取り上げたのは、では、どうしたら良いの、という回答を皆さんと一緒に考えていきたいからなのです。
*代謝系:体内で物質が合成されたり、分解されたりする化学的な反応を代謝といいます
(参考資料)
◆牛乳信仰の落とし穴
◆日本人に牛乳は不適

◆ネコに牛乳はダメなのか
◆下痢対策のポイント
◆牛乳、下痢をしない調理法
→次項へ。 環境問題と活性酸素
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| (註) この著作は、1999年に、石川洋一が栄養補助食品について、N出版社より出版した書籍の抜粋です。 最新の資料により全面的に改定いたしました。 (2008年4月 著者) |
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