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4. 漢方薬とエキス剤そして西洋薬との違い  

現在、私たちが口にしている多くの「漢方薬」といわれるものは、エキス剤です。エキス剤とは生薬に含まれている有効成分を取り出して、粉末、錠剤、カプセルなどにしたものです。  

漢方薬は、本来、数種の生薬を混ぜあわせて煎じて飲むものであり、これが標準とされています。しかし、毎日これをやるとなると、大変な手間がかかり、忙しい現代人にやれることではありません。そこで考えられたのがエキス剤です。こうすると携帯には便利ですし、手軽にどこででも服用することができます。  

ただ私たちが常識的に疑問に思うのは、本来の漢方薬とエキス剤とは同じように効くのかということです。  

上記した細谷英吉氏は、「標準方式で作った湯液と、それをエキス剤にしたものとは、エキス剤にしたものの成分の量が劣っているという報告がある。この両者の優劣については学会で討議が行われている」と書いています。  

ただ、当然のことですが、大量生産されるエキス剤は、漢方医学本来の、一人一人の患者にあった処方をすることができません。いわゆる「さじ加減」ができません。  

これを本来の「漢方薬」と呼ぶには、若干疑問を感じないではありません。しかし、効用がそれほど違わず、副作用も少ないというのならば、エキス剤の漢方薬も、手軽に飲めるインスタント薬品として現代人にはぴったりではないでしょうか。    

次に、漢方薬と西洋薬との違いについて少し書いておきます。  
「現在の西洋薬はほとんどすべて化学操作によって合成された純粋な化学物質です。生薬中から抽出されたものでも、その有効成分の化学構造を決定し、次にそれを人工的に合成し、その純粋なものをくすりとして使います」(前出、細谷英吉氏)  

このように西洋薬は化学式から人工的に作られた純粋な化合物なのです。ある症状に良く効く純粋な化合物を精製して、多くはそれを注射で与えますから、西洋薬は即効性があるのです。しかしその化合物に毒性があればそのまま出てきてしまいます。   

これに対して、漢方薬はさまざまな生薬を混ぜて使うわけですから、たくさんの自然の化合物が入っています。どのくらいの化合物が入っているのか、正直なところ、まだ分からないそうです。そして、口から投薬しますから、胃、腸を経て、肝臓へと全身をめぐり、効果を現していきます。全身をまわりながら成分が相互作用を起こしていきます。  

こうしてみると、一般に漢方薬は効き方が遅いといわれているのはある程度事実でしょう。しかし、口から飲み、肝臓を経る漢方薬は、解毒作用を受けやすくなるので、毒性が少なくなります。  

最後に、西洋薬はある特定の症状や臓器には効きますが、他の臓器には影響を及ぼしません(風邪のくすりが下痢に効くということはありません)。漢方薬は、特定の症状や臓器ばかりでなく、他の隠れた病気や臓器にも良い影響を及ぼすことが度々あります。


(註) この著作は、1999年に、石川洋一が栄養補助食品について、N出版社より出版した書籍の抜粋です。 最新の資料により全面的に改定いたしました。 (2008年4月 著者)